フェルメールの別名(異名)は?呼ばれる理由を解説!【保存版】
フェルメールの本名はヨハネス・フェルメールで、17世紀のオランダで画家として活躍していました。
ただ、フェルメールは後世になり作品の素晴らしさが脚光を浴び始めた頃から、別名(異名)で呼ばれることがありました。
この記事では、そんなフェルメールの別名(異名)とそう呼ばれる理由について紹介します!
フェルメールの別名とその理由
フェルメールは別名「光の魔術師」もしくは「光の画家」と呼ばれています。
実は、この別名で呼ばれている画家はフェルメールだけではありません。
カラヴァッジョ、レンブラントも同じ異名を持っているのです。
この三人には共通点があります。
それは、三人とも光を巧みに表現している、ということです。
しかし、その三人の中でもフェルメールの意匠(工夫)は他の二人とは少し趣が違います。
カラヴァッジョ、レンブラントとの違い
カラヴァッジョやレンブラントはスポットライトのように1点から照らし、明暗のコントラストもくっきりした光を描きました。
一方、フェルメールの画面を満たす光は彼らとの対照的です。
薄いヴェールを通したかのように柔らかく拡散し、陰影をおぼろげにしています。
画業をスタートした頃は、フェルメールもカラヴァッジョ風の比較的コントラストが強い光を描いていましたが、次第に洗練され、穏やかで静謐な光へと変わっていったのです。
静謐な光を表現するフェルメール
なぜ、フェルメールの光はこれほどまでに静かなのでしょうか。
アトリエが北向きだったことを理由に挙げる見方もありますが、これはフェルメールに限った話ではなく、採光の状態が安定するために多くの画家が北向きにアトリエを構えていたからです。
そもそもオランダの大気は霞んでいて陽光が弱いと言われています。
運河の国だけに大気中に水分を多量に含み、光も柔らかく当たるのでしょう。
フェルメールの光を巧みに扱った表現技法については下記にまとめていますので、気になる方はこちらをどうぞ。
おわりに
ただ、年齢的にはかなり上ですが、レンブラントは同時期のオランダで活躍しました。
ほぼ同じ陽光を目にしていたにもかかわらず、光の様子は全く違うことが興味深いです。
他の画家たちも“レンブラント風”が多数派で、フェルメールと同様の表現は見られません。
ライバルとの差別化を図ったのか彼自身の好みだったのかは定かではないですが、フェルメールは他者とは違う光の表現を追求しました。
そうしてあの独特な空気感が漂う光へと到達したのです。
この記事では、フェルメールの別名(異名)についてまとめました。
下記では、他にもフェルメールの全作品を解説していますので、コチラもあわせてご覧ください。