フェルメールについて

フェルメールの生い立ちとその波瀾万丈な生涯【決定版】

フェルメールの生い立ち
vermeer

フェルメール作品の多くは、完成度が高く、幻想的かつ神秘的な雰囲気を持っています。

そのため、フェルメールにはアトリエにこもって創作活動に明け暮れる“孤高の天才画家”のイメージがつきまといます。

しかし、そのイメージとは裏腹に、実際は激動の人生を送っていたのでした…!!

300年以上前の時代のことなので謎に包まれている部分も多いですが、残された古文書を紐解くと、彼が送った生涯は決して華々しいものではなく、波乱に満ちた生々しいものだったことが確実視されています。

この記事では、そんなフェルメールの生い立ちと生涯について紹介します!

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①一人前の画家になるまで

フェルメールの自画像
取り持ち女に描かれたフェルメールの自画像

1632年10月31日、オランダ西部の小都市デルフトでフェルメールは生を受けました。

父親が織物業、居酒屋兼宿屋など幅広く事業を展開しており、画商も手がけていたことから、その影響で彼は絵画に興味を持ち始めたようです。

家庭は比較的裕福で、15歳ごろから約6年間、高い授業料を払って画家修行に出してもらっています。

そして、21歳の時に結婚しました。

さらに、絵画に関連する同業者組合「聖ルカ組合」「親方画家」として加入することで、フェルメールは一人前の画家として認められることになりました。

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②画家としての歩み

デルフトの火薬庫 (ファン・デル・プール)
ファン・デル=プール「デルフトの火薬庫」

しかし、全てが順風満帆だったわけではありません。

20歳の時に父親がこの世を去り、家業を受け継ぎましたが経営はうまくいきませんでした。

また、画家として独り立ちして作品を売り出せるようになったといっても、すぐに大きな収入につながるものではありませんでした。

加えて、1654年にはデルフトの火薬庫が大爆発し、街が壊滅的な打撃を受ける事故に遭遇しました。(その様子をファン・デル=プールが風景画として残しています。)

裕福だった義母と同居し、経済的援助を受けながら、当時オランダで需要のあった風俗画を主体に創作活動に勤しみましたが、生活が楽になることはありませんでした。

しかしその反面、画家としての評価は上がる一方でした。

先の火薬庫の爆発事故により命を落としたデルフトを代表とする画家ファブリティウス(フェルメールの師匠の1人という説もあります)の後継者と注目されたり、史上最年少の「聖ルカ教会」の理事に選ばれたり、フランスの美術愛好家が彼の絵を見にわざわざ訪れたりするなど、その名声を高らかに広めていきます。

そして、のちに値のつかないほどの高い評価を受けることになる、数々の傑作を世に送り出していきました。

③社会情勢の変化と晩年

1672年、フランスがオランダに侵攻し、戦争が勃発しました。

オランダの経済状況は悪化の一途を辿りました。

不況のためフェルメールの絵は売れず収入がなくなり、借金を重ね、金利生活者の義母の仕事を手伝わざるを得ず、晩年は制作に専念できない生活を強いられることになりました。

そして、悪循環から抜け出せないまま、妻と11人の子どもを遺して43歳でなくなりました。

死因は定かではありませんが、一説によると、うつ病が死の引き金になったのではないかとも言われています。

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④おわりに

テオフィル・トレ=ビュルガー
テオフィル・トレ=ビュルガー

この記事では、フェルメールの生い立ちとその生涯についてまとめました。

ちなみに、フェルメールが亡くなってからは、少ししか作品がなかったのと、個人所蔵が多かったため、長らく彼の名前や作品が大きな注目を浴びることはなく、特にオランダ国外ではほとんど「忘れられた画家」になってしまいました。

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状況が一変するのは1866年です。

フランスの美術批評家トレ=ビュルガーが企画した展覧会でフェルメールの作品を公開し、立て続けにフェルメールに関する本格的な研究論文を発表することで、たちまち脚光を浴びるようになりました。

以後、作品の価格は急激に高騰し、フェルメールは西洋美術史を語る上で欠かせない画家の1人として扱われるようになりました。

没後200年、ついに世界が彼の偉大さを知るに至ったのでした。

下記では、他にもフェルメールの全37作品をまとめていますので、こちらもあわせてご覧ください。

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