【フェルメール】ポワンティエ(点綴技法)とは?その意味と4つの作品
「光の画家」という異名を持つフェルメールは、光の輝きを表現するために独自の表現を編み出しました。
様々な表現方法が絵画に散りばめられていますのが、その一つがポワンティエ(点綴技法)です。
ここには、自然のまま描くのではなく自然に見えるように描く、というフェルメールの手腕が発揮されています。
この記事では、そんなポワンティエとそのポワンティエを用いた3つのフェルメール作品について紹介します!
ポワンティエ(点綴技法)とは?その意味
ポワンティエ技法とは、白い点描によって、光の反射を表したものです。
しかし、単にフェルメールは光の反射を表したのではありません。
というのも、現実にはパンが光を照り返して、こんなにキラキラ光ることはないからです。
輝くものは鑑賞者の目を引きつけます。
ポワンティエは、視線を誘う役割も担っているのです。
フェルメールにかかれば、実際にはない光もごく自然に見えてしまうからスゴイですね。
ポワンティエがきらめく4つの作品
①牛乳を注ぐ女
【牛乳を注ぐ女】のパンの上に白い絵の具を点々と置き、光の粒が輝いているように見せています。
実際にパンや布地が光を反射することはないですが、輝きがあればそこに視線が集中します。
光を自在に操るフェルメールならではの効果的な技法です。
②絵画芸術
【絵画芸術】の左に描かれているカーテンをご覧ください。
この部分にも光の反射を明るい色の点で表現するポワンティエ技法が用いられ、まばゆい豪華なものとして描かれました。
画像ではわかりにくいですが、実物を見るとポワンティエを用いて描いた跡がよくわかります。
③レースを編む女
【レースを編む女】の手元の布地にも同じポワンティエが使われています。
上記で述べたように、ポワンティエには視線を誘う役割も担っており、手元の布地にポワンティエを用いることにより、レースを編むという作業に視線が集まって、女性が集中して編んでいることを鑑賞者にも伝えているのです。
鑑賞者は見事にレースを編む作業に引き込まれますね。
④信仰の寓意
少しわかりにくいかもしれませんが、【信仰の寓意】の左側に描かれているカーテンにもポワンティエが用いられています。
【信仰の寓意】はなんと現在(2021〜2022年)、初来日していますので実際に作品を日本で見ることができるので必見です!
おわりに
光の反射を描くことはフェルメールを虜にしたようです。
ポワンティエだけでなく作品の細かな部分にその意匠(工夫)が見てとることができます。
この記事では、フェルメールが用いた手法である「ポワンティエ」についてまとめました。
下記では、他にもフェルメール作品(全37作品)を一覧にしてまとめていますので、ぜひこちらもご覧ください。