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【フェルメール】中断された音楽の稽古の作品解説【決定版】

中断された音楽の稽古の作品解説
vermeer

【中断された音楽の稽古】は、中断された稽古の一瞬の静謐さを表現した作品です。

作者は【牛乳を注ぐ女】【真珠の耳飾りの少女】でお馴染みのヨハネス・フェルメールです。

この記事では、そんな【中断された音楽の稽古】について解説しています!

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①作品の概要

中断された音楽の稽古
基本データ

◎フリック・コレクション所蔵(アメリカ・ニューヨーク)

◎1658〜59年ごろ作

◎油彩・カンヴァス

◎39.4cm×44.5cm

リュート(弦楽器の一種)を中断させた何者かに目を向ける女性と、まったく気にすることなく楽譜に目を落とす音楽教師。

動きを瞬間的に切り取って静謐さを表現するという、フェルメールならではの技法です。

壁に掛けられたキューピッドの絵は、【窓辺で手紙を読む女】【ヴァージナルの前に立つ女】と同一で、男女がただならぬ関係であることを暗示しています。

画面左上の鳥かごは後世の人物の手による加筆です。

②作品の見どころ・解釈

中断された音楽の稽古のモチーフ

上述した通り、2人の背後の壁に掛かるキューピッドの絵は「ただ1人を愛す」を暗示しており、机の上に置かれた楽器はリュートで「恋人」を暗示します。

青と白のデルフト焼のワイン壺や赤ワインのグラスといったモチーフが散りばめられており、2人の男女が単なる教師と生徒ではなく、男女の関係であるとも類推されます。

机にあげられた五線譜上には点描で音符が丁寧に描かれているなど、細かなテクニックにも注目できます。

鳥かごをはじめ、のちの画家が加筆や修正をたくさんおこなっており、作品の状態はあまりよくないです。

③作品の画法・技法・背景

17世紀のオランダ風俗画の中でも、男女の楽しい集いを描いた作品には、場を盛り上げる小道具としての音楽の主題や楽器が繰り返し登場します。

かつて《放蕩息子》や《取り持ち女》をテーマにした作品に同じような狙いで描かれていたものの名残であるとともに、当時の現実を映し出しているものといえます。

17世紀のオランダの男女にとって、教会や祭りは格好の出会いの場となっていましたが、少し上の子女ともなると、互いに集まって詩の朗読をしたり、楽器を持ち寄って合奏し、お相手を見つけたようです。

そのためには、まず、しっかり音楽の指導を受けて、独りで稽古しておく必要がありました。

ファン・ホントホルストの《合奏》は、男女が机を囲んで合奏を楽しむ場面を描いているように見えますが、これは娼家の情景です。

ここでは、官能を喜ばしめる音楽は、エロスのシンボルとして機能しています。<

合奏(ヘラルト・ファン・ホントホルスト)
ヘラルト・ファン・ホントホルスト「合奏」

また、【中断された音楽の稽古】は、【紳士とワインを飲む女】【ワイングラスを持つ女】を主題と空間構成の両面で掛け合わせ、視覚的により無理のない構図を完成する途上で描かれた作品です。

④おわりに

この記事では、【中断された音楽の稽古】の作品について紹介しました。

この作品はモチーフがたくさん散りばめられているのと主題もわかりやすいものになっています。

モチーフや主題から絵画を鑑賞するのも見方の一つではないでしょうか。

下記では、他にもフェルメールの全作品を解説していますので、コチラもあわせてご覧ください。

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