事件

【有名絵画】フェルメール作品4点の盗難事件とその後【決定版】

【有名絵画】フェルメール作品4点の 盗難事件とその後【決定版】

フェルメール作品はこれまで4点が盗難に遭っています。

全部で30点余りしか現存しないことを考えれば、随分と盗難発生の確率が高いです。

耳飾りちゃん

有名な作品の場合は、売却はほぼ不可能なので、政治的脅迫の材料とされることも珍しくありません。

【ギターを弾く女】【手紙を書く女と召使い】の盗難はIRAという地下組織絡みでした。

ちなみに、後者の作品は2度にわたり盗まれています。

【恋文】は貧民を救うための義捐金獲得を主張する男に盗まれました。

展示してる絵をナイフで切り抜いて持ち去るという乱暴な犯行でした。

これら3点は幸いにして無事回収できていますが、ボストンで盗まれた【合奏】は未だ行方がわからないままです。

耳飾りちゃん

この記事では、そんなフェルメールの4点の作品の盗難事件について紹介しています!

①【恋文】盗難事件

恋文
概要

場所:プリュッセル パレ・デ・ボザールの展覧会 1971年9月23日

犯人:マリオ・ピエール・ロイマンス

要求:東パキスタン難民への寄付/国際的な反飢餓キャンペーンの実施

動機:自分が孤児であるため他人の貧困の苦しみに我慢できない

逮捕:1971年10月6日 【恋文】は大きな損傷を受け発見される

アムステルダム国立美術館所蔵の【恋文】は、ブリュッセルで開催されていた「レンブラントと彼の時代展」に貸し出されていました。

館内に隠れていた犯人が、閉館後に額縁ごと作品を持ち出して、木枠からキャンパスごと切り取りました。

そして絵を丸めて2階の窓からカーテンを繋いだものをロープ代わりにして脱出しました。

犯人は、ベルギーの新聞社に電話をして、東パキスタン難民への援助や国際的な飢餓キャンペーン実施を要求し、自分の要求を記事にするように伝え、「名前はティル」とも答えました。

しかし、新聞社の記者が、本物のフェルメールを持っていることを確認できなければ記事にはしないと交渉したところ、【恋文】を見せると承諾しました。

犯人の指定に従い、新聞記者は絵の確認に成功し、犯行の動機も載せ大スクープとなりました。

そして、新聞に要求が掲載された3日後、犯人はラジオ局にガソリンスタンドから電話をかけました。

しかし、電話の内容を不審に思ったスタンドの店員が、警察に通報し犯人は逮捕され、作品は宿泊していたホテルのベッドの下から発見されました。

耳飾りちゃん

机カバーに包んで隠してあった絵の損傷が激しかったので、絵の具の欠落した範囲は大きく、木枠から切り取られ周囲の絵柄も失っていました。

しかし、1年半の時間をかけて完全に修復されました。

②【ギターを弾く女】盗難事件

ギターを弾く女
概要

場所:ケンウッド・ハウス 1974年2月23日

犯人:アイルランドのテロリストIRAのシンパ?

要求:IRAの自動車爆弾テロリストの故郷への移送

動機:テロリストの身柄釈放のための政治的なもの

絵の回収:1974年5月6日 ロンドンの教会の墓跡に立てかけられ発見

1974年2月23日夜23時頃、ロンドンにある美しい白亜の邸宅美術館として知られるケンウッド・ハウスの窓ガラスが割られ、【ギターを弾く女】が額に入ったまま盗まれました。

ケンウッド・ハウスの持ち主は、ギネスビールの経営者、エドワード・ギネスで彼の死後、コレクションごとイギリス政府に寄贈されていました。

1971年にもケンウッド・ハウスでは盗難事件があり、警備態勢が疑問視されている最中の事件でした。

そして、4日後に事件は動きます。

ロンドンでの自動車爆破事件の犯人として逮捕されている「北アイルランドの出身のプライス姉妹のアイルランドでの移送」を指示する電話がロンドンのキャピタル・ラジオ局にかかってきたのです。

プライス姉妹は過激派テロリスト集団IRAのメンバーで、「故郷に返されるまで、ハンガーストライキに入る」と宣言し、既に3ヶ月食事を拒んでいました。

そして、3月12日にはプライス姉妹を故郷に戻すか絵の破壊かという最終通達が突きつけられ期限は3月17日とされました。

当日は、何も起こらないまま過ぎましたが、次の盗難が始まってしまいます。(③【手紙を書く女と召使い】盗難事件に続く)

耳飾りちゃん

キャンパスの裏の折り返しの部分から切り取ったと思われる小さな布が、盗難の証拠として送られてきており、ダメージが心配されていました。

しかし、返還された作品は、湿気は帯びていましたが、損傷は引っ掻き傷が1ヶ所あるだけでした。

③【手紙を書く婦人と召使い】盗難事件

手紙を書く婦人と召使い【ヨハネス・フェルメール】

【ギターを弾く女】が盗難された2ヶ月後、【手紙を書く婦人と召使い】が盗まれました。

盗まれた場所はラズボロー・ハウスという私邸からでした。

犯人たちの要求は、【ギターを弾く女】と同じく仲間のアイルランドへの移送でしたが、イギリス政府はいずれの要求にも屈しませんでした。

1週間後、IRAの活動家が別件で逮捕されたことにより【手紙を書く婦人と召使い】が発見され、ケンウッド・ハウスから盗まれた作品ものちに無事保護されました。

この盗難事件を受けて、ラスボロー・ハウスは屋敷の中央棟を美術館として一般公開、警備も充実させます。

にもかかわらず1986年、2度目の盗難事件が発生します。

今度は作品を闇マーケットで売りさばくことを目的とした犯行でした。

ところが、高騰し続けるフェルメール作品の買い手を探すことに困っているうちに、警察の囮捜査の網に引っかかって逮捕され、絵は無事取り戻されました。

あまりにも危険なので、アイルランド国立美術館に寄付されました。

耳飾りちゃん

第一の事件で取り戻された時には、大きく6つの傷が残され、修復に際して、紫外線調査などをすると、オリジナルに加筆された箇所が発見されました。

修復は、後世の加筆部分を消し、新しくニスを塗り直すという形で行われ、第二の事件では、金庫に保管されていたため大きな損傷はありませんでした

④【合奏】の盗難事件

合奏

1990年3月18日未明、ボストンのイザベラ・ガードナー美術館でフェルメール1点、レンブランド2点を含む13点の美術品が強奪されました。

実行犯は、警察に扮した2人組です。

警備員を縛り上げて手錠をかけ拘束し、わずか81分間の犯行でした。

13点の被害推定額は、約5億ドル(約584億円)とされ、なかでもフェルメール【合奏】は推定額230億円ともいわれています。

2014年にフェルメールの初期作品【聖プラクセディス】がオークションにかけられ話題となりましたが、それまでの何十年間もフェルメールは市場で売買されたことがありません。

もともと30数点しか作品が残っておらず、しかも個人所蔵となっているのは【聖プラクセディス】の1点のみ。

あとは有名美術館が所有する画家の円熟期に描かれた作品【合奏】です。

盗難当時も、専門家は希少性から値段をつけることも不可能な作品だとしていました。

事件後、盗難に関する有力情報への懸賞金が100万ドルかけられ、時効前の1997年には500万ドルに増額されましたが、未だ【合奏】は返還されないまま、既に事件は時効を迎えています。

耳飾りちゃん

ボストンのマフィアの手に渡っているという有力情報があり、今もFBIは絵の行方を追っています。

おわりに

この記事では、フェルメール作品4点の盗難事件とその後についてまとめました。

耳飾りちゃん

しかしながら、こういった盗難事件が起きることで奇しくもフェルメールの市場価値を押し上がっていったのも事実なのです。

下記では、他にもフェルメール作品(全37作品)を一覧にしてまとめていますので、ぜひこちらもご覧ください。

こちらの記事もオススメ